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ジム・フィットネスのLINE活用|退会と幽霊会員を防ぐ

2026年8月18日 公開

ジムやフィットネスクラブの集客相談では、たいてい「入会が伸びない」という話から始まります。ところが数字を分解すると、多くの店舗で効いているのは入会数ではありません。月会費のビジネスの売上は「入会数 × 在籍月数」で決まります。平均在籍が6ヶ月から9ヶ月に延びれば、入会数が同じでも売上は1.5倍になり、しかも広告費は増えません。

そしてもうひとつ、この業種でいちばん誤解されているのが退会のタイミングです。退会は「退会を申し出た日」ではなく「来なくなった日」に始まっています。申し出は数ヶ月遅れて届く報告にすぎません。つまり、退会届が出てから引き止めるのは手遅れで、勝負はその何ヶ月も前——足が遠のき始めた最初の数週間にあります。

この記事でわかることは次の5つです。

  • 入会後30日で決まるもの。最初の3通に何を書くか
  • 来店間隔で会員を4つに分ける方法と、それぞれの打ち手
  • 幽霊会員を放置してはいけない理由(一見、利益に見えるのに)
  • 24時間ジムとパーソナルジムで設計がどう変わるか
  • 体重・体調をLINEでやり取りしてはいけない線引き
この記事は、ジム・フィットネス施設がLINEを運用するときの実務上の整理です。会費の継続課金・休会・退会に関する契約条件や、身体・健康に関する情報の取り扱いは事業形態によって扱いが変わるため、最終的な判断は専門家にご確認ください。効果に関する表現は景品表示法・医薬品医療機器等法(薬機法)の対象になり得ます。LINE公式アカウントの料金・仕様に関する記述は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。なおLCALLは本メディアの運営元が提供する自社サービスです(PR)。

まず、どこに手を入れるかを決める

「集客」と一言で言っても、月会費のビジネスでは打ち手の効き方がまったく違います。費用と効果を並べると、順番は自然に決まります。

打ち手かかる費用売上への効き方優先度
入会数を増やす広告費が要る入会月だけ増える。続かなければ元に戻る最後
体験からの入会率を上げるほぼゼロいま来ている人が対象。すぐ効く
入会後30日の定着ゼロ在籍月数が伸びる=毎月効く最優先
離れかけた会員を戻すゼロ退会予備軍が対象。効果が読みやすい
退会の申し出を引き止めるゼロほぼ効かない。手遅れの段階やらない

最後の行が重要です。退会を申し出た人を引き止める労力は、そのぶん「まだ在籍しているが来ていない人」に回したほうが、確実に売上になります。

【本命1】入会後30日で、その後の在籍月数が決まる

入会直後は、本人のやる気がいちばん高い時期です。ところがこの時期に来店が途切れると、その後はほとんど戻りません。理由は単純で、「行っていない」という状態そのものが行きにくさを生むからです。2週間空くと、次に行くときに気まずさが混ざります。1ヶ月空くと、会費を払っている事実から目をそらすようになります。

入会日を起点にした3通

タイミング送る内容ねらい
入会当日次に来る日を決める案内。持ち物、初回の流れ、困ったときの連絡先2回目の来店日を先に埋める
2週目「うまく続いていますか」+よくあるつまずき(時間が取れない/マシンの使い方が分からない/何をすればいいか決まっていない)と、その場での解決策言い出せない不満を拾う
4週目同じ曜日・同じ時間に固定する提案。空いている時間帯の案内意志ではなく習慣にする

いちばん効くのは1通目の「2回目の来店日を決めてしまう」ことです。入会日に「またお待ちしています」で終わると、次にいつ来るかは本人の意志だけに委ねられます。予約枠から次回を選んでもらう、あるいは「週の何曜日に来るか」だけでも決めてもらうと、2回目の来店率が変わります。

2通目の「つまずき拾い」も外せません。辞める人は、辞める前に何も言いません。マシンの使い方が分からない、何をすればいいか分からない、というのは受付で聞きにくい類の悩みです。LINEなら聞けます。この一次対応は受信箱にまとめておくと、担当が違っても履歴が残ります。3通の組み方そのものはシナリオ設計の基本が入口になります。

【本命2】来店間隔で4つに分ける

会員全員に同じ配信をしているかぎり、退会は減りません。週4回来ている人と1ヶ月来ていない人に、同じ「新メニューのお知らせ」が届いているのが普通の状態です。分けるのは属性ではなく、直近の来店間隔です。

区分いまの状態送るもの送ってはいけないもの
週2回以上習慣化済み。退会リスクは低い新プログラム、イベント、紹介のお願い過度な声かけ(放っておくのが正解)
週1回程度続いているが崩れやすい空いている時間帯、短時間メニュー「もっと通いましょう」という圧
2週間空いたここが分かれ目ハードルを下げる提案。「10分だけでも」「お久しぶりです」(責められた感じになる)
1ヶ月空いた退会予備軍。会費だけ払っている再スタートの口実(測定・カウンセリング)継続を前提にした通常配信

この4区分を作るだけで、配信の中身が決まります。タグで区分を持たせ、来店があれば区分が上に戻る運用にします。考え方はセグメント配信にまとめています。

「来てください」と書かない

離れかけた人への声かけで、いちばんやりがちな失敗がこれです。「最近お見かけしませんね」「またお待ちしています」は、送る側は親切のつもりでも、受け取る側には行けていないことを指摘されたと届きます。気まずさが増えるので、逆効果になります。

置き換えるのはハードルを下げる具体的な提案です。

  • 時間を下げる:「10分のストレッチだけでも効果があります」
  • 混雑を外す:「平日午後は空いています」——混雑が理由で足が遠のく人は想像より多い
  • 口実を作る:「体組成の測定だけしに来ませんか」——トレーニングしなくていい、と言ってあげる
  • 選択肢を出す:「今月きびしければ休会もできます」——退会より休会のほうが復帰率は高い

離れた人を戻す手順の一般論は休眠顧客の掘り起こし、通院の中断を防ぐという似た構造は整体院・整骨院でも扱っています。

幽霊会員を放置してはいけない

来ないまま会費を払い続けている会員は、短期的には利益に見えます。実際に「触らないほうがいい」と考える経営者もいます。しかし、放置した幽霊会員は次の3つを連れてきます。

  • 先送りされた解約:来ていない人は必ず辞めます。今月の利益は、来月以降の退会が確定した状態と引き換えです
  • 口コミの悪化:「払っているだけだった」という体験は、辞めるときに言葉になって外に出ます
  • 紹介が生まれない:通っていない人は誰も誘いません

逆に、一度戻ってきた会員は在籍が延びます。「行っていない状態」を断ち切るのは、たいてい1回の来店です。その1回を作るための連絡だと考えると、送る文面も変わります。満足度が戻ったタイミングは口コミの依頼にも使えます。

24時間ジムとパーソナルジムは、設計が違う

比べる点24時間・セルフ型パーソナル・少人数型
単価と決め方月会費が低く、その場で決まりやすい高額。数十万円のコースは持ち帰って検討される
入会前の山場見学から入会(当日決まる)体験後の追客(その場で決めない人が本命
LINEの主戦場入会後の定着と、スタッフ不在時間の問い合わせ体験後の3通と、コース期間中の伴走
いちばんの離脱要因来なくなる(誰も気づかない)結果が出ない不安・食事の挫折

24時間・セルフ型で効くこと

スタッフがいない時間帯の問い合わせが、この形態の弱点です。入館できない、マシンが止まった、更衣室のトラブル——その場で誰にも聞けないと、体験が一気に悪くなります。よくある質問はAIの一次対応で先に答え、判断が要るものだけ人に渡す形にします。線引きの作り方は自動応答の作り方、対応が回らない状態の直し方は返信が追いつかないにあります。

もうひとつ効くのが混雑状況の発信です。「今日の18時台は混みます」「平日午前は空いています」を定期的に流すだけで、混雑を理由に足が遠のく層が戻ります。来店ごとのスタンプで習慣づけたい場合はショップカードの設計が使えます(ポイントカード機能はPro(月額19,800円)が対象です)。

パーソナル型で効くこと

高額コースの体験からの流れは、エステの本契約と構造が同じです。価格帯を体験の前に伝えるその場で決めなかった人を3通で追う値引きで追わない——この3点はエステ体験の成約率にまとめた設計がそのまま使えます。

コース期間中で注意したいのが食事報告の運用です。毎食の写真をLINEで送ってもらう指導は効果が高い反面、トレーナーの工数が青天井になります。返す時間帯を決める、返信は1日1回まとめる、といった線引きを最初に伝えておかないと、続かないのはトレーナー側です。

体重・体調をトークに書かせない

この業種で必ず決めておきたい線引きです。体重・体脂肪率・既往歴・服薬・けがの状況——これらはトークに残ると消せませんし、スタッフの誰もが見られる場所に置かれることになります。数値の記録は会員カルテやアプリ側に持ち、LINEでは「気になる点があればスタッフにお申し出ください」までにとどめます。

健康状態の確認が必要な場面(初回のカウンセリング、体調不良時)は、口頭か所定の様式で行ってください。線引きの作り方は個人情報を扱うときのルールにまとめました。

あわせて、配信の表現にも注意が必要です。「必ず痩せます」「1ヶ月で必ず◯kg減」のような断定は、景品表示法や薬機法の観点で問題になり得ます。ビフォーアフターの体験談も扱いに注意が要ります。詳しくは配信のNG表現を参照してください。

退会の申し出には引き止めず、休会を先に出す

退会を申し出た会員を強く引き止めるのは、費用対効果が悪いだけでなく、口コミとして返ってきます。手続きを分かりにくくするのも同様です。代わりに置くのは復帰の入口です。

  • まず休会を案内する(一時的に忙しいだけの人が一定数いる)
  • 退会理由を1問だけ聞く(引き止めではなく改善のため、と明示する)
  • 退会後もブロックされていなければ、季節のキャンペーン時に一度だけ声をかけられる

会費の継続課金や休会・退会の条件は契約に関わるため、配信文で要約せず、規約と窓口に案内してください。

友だちを増やす場所

  • 入会手続きの場:もっとも確実。入会案内の書類にQRを入れ、その場で登録してもらう
  • マシン周り・更衣室の掲示:既存会員の登録漏れを拾う
  • 見学・体験の申込:電話ではなくLINEで受けると、営業時間外の問い合わせを取れる
  • 紹介:会員が友人を誘うときの案内を、そのまま転送できる形で用意する

置き場所ごとにQR・URLを分けると、どこから来たかが自動で分かります。作り方はQRコード・URLの作り方、導線の一般論は友だちの増やし方にあります。登録直後に何を約束するかはあいさつメッセージの例文が参考になります。

配信は月2〜4回。半分は「行く理由」にする

会員向けの配信は、キャンペーンの告知ばかりになりがちです。しかし在籍中の会員にとって必要なのは割引ではなく今日行く理由です。混雑状況、新しいプログラム、スタッフのおすすめメニュー、短時間でできるメニュー——こうした内容を挟むと、売り込み回の反応も落ちません。頻度の決め方は配信の頻度と時間帯、ネタが尽きたときは配信ネタの作り方を参照してください。売り込み1回につき非売り込み2回、という比率の考え方はブロックされない配信の作り方と同じです。

見る数字は4つ

数字数え方低いときに疑う場所
入会後30日の来店回数入会した人が最初の30日に何回来たか入会当日の3通。2回目の予約を取れているか
2週間以上空いた会員の割合在籍者のうち、直近2週間の来店が無い人の比率退会の先行指標。ここを毎月見る
平均在籍月数退会者の在籍期間の平均定着施策の総合成績。広告費の許容額もここで決まる
復帰率2週間空いた人のうち、声かけ後に来店した割合文面。「来てください」になっていないか

とくに2つ目です。退会数は結果が出るまで数ヶ月かかりますが、「2週間空いた人の割合」は今月の時点で分かります。この数字が増えていたら、数ヶ月後の退会が確定していると考えてください。指標全体の見方は見るべき数字7つにまとめています。

よくある失敗

失敗何が起きるか直し方
入会数だけを追う入れた分だけ辞めて、会員数が横ばいになる平均在籍月数を並べて見る
入会当日に次回を決めない2回目の来店が本人の意志任せになるその場で曜日か予約枠を押さえる
会員全員に同じ配信をする週4回来る人と1ヶ月来ない人に同じ文面が届く来店間隔で4区分に分ける
「最近お見かけしませんね」と送る責められたと感じて、さらに行きにくくなるハードルを下げる提案に置き換える
幽霊会員を放置する今月の利益と引き換えに、来月以降の退会が確定する1回の来店を作る連絡を出す
退会の申し出を強く引き止める口コミで返ってくる休会を先に案内し、復帰の入口を残す
体重・既往歴をトークで聞く履歴に残り、スタッフ全員が見られる会員カルテ側に置く。LINEでは扱わない
「必ず痩せる」と書く法令上の問題に加え、期待とのズレで退会に効果は断定しない。手順と目安を書く
食事報告の返信ルールを決めないトレーナーの工数が青天井になり、続かない返す時間帯と回数を最初に伝える
配信がキャンペーン告知だけ在籍会員には響かず、ブロックが増える半分は「今日行く理由」にする

まとめ

  • 売上は入会数 × 在籍月数。手を入れる順番は定着 → 離脱防止 → 入会数
  • 退会は申し出た日ではなく来なくなった日に始まっている
  • 入会後30日が勝負。1通目で2回目の来店日を決めてしまう
  • 会員は来店間隔で4つに分ける。全員に同じ配信をしない
  • 「来てください」と書かない。時間・混雑・口実でハードルを下げる
  • 幽霊会員は利益ではなく先送りされた解約
  • 体重・既往歴はトークで扱わない。効果は断定しない
  • 毎月見るのは2週間以上空いた会員の割合(退会の先行指標)

近い記事との役割分担も書いておきます。エステ体験の成約率は高額コースを契約させるまで整体院・整骨院通院の中断、この記事は月会費が続くかどうかを扱っています。パーソナルジムは前者と後者の両方が当てはまるので、体験の追客はエステの記事、入会後の定着はこの記事、と使い分けてください。

LCALL(自社サービス・PR)では、この記事の設計をそのまま画面で組めます。入会日を起点に人ごとにずれて届くシナリオ配信、来店間隔で分けるタグ、次回来店やカウンセリングを押さえる予約、スタッフ不在時間の問い合わせを受ける受信箱AI一次対応を同じ画面で扱えます。シナリオ配信・タグ・予約・受信箱・AI自動応答・フォームはLite(月額9,800円)から標準搭載で、来店ポイント(ショップカード)を使う場合はPro(月額19,800円)が対象です。プランの違いは料金ページをご覧ください。自店の会員構成に合わせた組み方は無料相談から承ります。

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