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LINE配信のNG表現|景表法・薬機法・特商法の線引き

2026年8月15日 公開

LINE配信でいちばん相談が多いのが、「この書き方、大丈夫ですか?」です。「本日限り」「必ず痩せます」「地域No.1」——販促の現場でよく使われる言い回しには、根拠を示せれば書けるものと、根拠があっても書けないものがあります。この線引きを知らないまま配信を続けると、指摘を受けたときに過去の配信すべてが対象になります。

この記事でわかることは次の4つです。

  • 景表法・薬機法・特商法・個人情報保護法が、それぞれ何を規制しているのか(守る対象が違う)
  • LINE配信で実際に踏みやすい表現と、そのままの意図で使える書き換え方
  • LINEで売る場合に、トーク内だけでは足りない表示と、その置き方
  • 配信前に30秒で見るチェックリストと、スタッフが複数いる場合の歯止め
本記事は、店舗・事業者がLINE配信を作るうえでの一般的な注意点を、2026年8月時点の公開情報にもとづいて整理したものです。法的な助言ではありません。個別の表現が適法かどうかは、商材・業種・文脈によって判断が変わります。判断に迷う表現は、消費者庁・各都道府県の薬務主管課などの所管窓口や、弁護士・行政書士等の専門家にご確認ください。なおLCALLは本メディアの運営元が提供する自社サービスです(PR)。

1. まず前提:4つのルールは「守っている相手」が違う

ひとまとめに「広告の規制」と言われますが、それぞれ見ているものが違います。ここを分けて覚えると、自分の配信のどこを直せばいいかが早く分かります。

ルール見ているものLINE配信で引っかかる場面
景品表示法買う前の期待と、実物・条件のズレ割引の見せ方、比較、体験談、キャンペーンの景品額
薬機法からだへの効果をうたっているか化粧品・サプリ・美容機器・施術の効果表現
特定商取引法通信販売としての表示が足りているかトーク内で申込・決済まで完結させるとき
個人情報保護法集めた情報の使い道と管理フォーム・アンケート、トークで聞く内容

これらとは別の軸として、LINEヤフー社の利用規約があります。法律に触れていなくても規約違反でアカウントが止まることはありますし、その逆もあります。規約側の話はLINE公式アカウントが停止・凍結されないためににまとめているので、あわせて読んでください。この記事は法律側=配信の文面そのものを扱います。

「これは広告か?」の判断がすべての入口

迷ったときの目安は、その配信が購入・来店・申込を促しているかです。営業時間の変更や臨時休業のお知らせは広告ではありません。ただし、そこに「ご来店の方にドリンク1杯サービス」の一言を足した瞬間に広告になります。

「お知らせのついでに一言だけ告知」という配信が、いちばん見落とされます。1通の中に販促が1行でも入っていれば、その通は広告として読み返す——この習慣を先に作ってください。

2. 景品表示法:LINEで最も踏みやすい2つ

景表法で問題になるのは、大きく2つです。

  • 優良誤認=実際より品質・効果が良いように見せる
  • 有利誤認=価格や取引条件が実際より得に見える

LINE配信で事故が起きるのは、ほぼ後者の有利誤認です。理由は、LINEが「短い文で、繰り返し、同じ人に届く」媒体だからです。チラシなら1回きりの表現でも、LINEでは同じ人が何度も同じ文言を見ます。

①「通常価格◯円→今だけ◯円」には根拠が要る

いわゆる二重価格表示です。比較対象に出した「通常価格」は、実際にその価格で相当期間販売していた実績が求められます。一度も売っていない価格や、数日だけ付けた価格を「通常価格」として並べると、有利誤認になり得ます。

安全側に倒すなら、比較を使わず「LINE友だち限定 ◯円」と絶対額だけを書く方法があります。訴求力は落ちないうえ、根拠の説明も不要になります。

②「本日限り」を毎週送ってはいけない

これがLINE特有の事故です。期間限定・本日限り・残りわずかを、実態なく繰り返すと、その限定表示自体が誤認を招くものになります。チラシと違い、LINEは過去の配信がお客様の端末に残ります。先週も先々週も「本日限り」と送っていたことは、本人のトーク画面をさかのぼれば一目で分かります。

対処は簡単で、限定を使う回数をあらかじめ決めておくことです。月1回だけにする、あるいは限定の中身(数量・対象者)を毎回変えて実態を伴わせる。配信の頻度と時間帯を決めるときに、この「限定を使う回数」も一緒に決めてしまうのが実務的です。

③「No.1」「地域一番」「満足度◯%」は出どころとセット

順位や比較の表示は、いつ・どの範囲を対象に・誰が・どんな方法で調べたかを示せることが前提になります。自店のアンケート結果を使う場合も、母数と時期の明示が必要です。示せないなら書かない、が最も安全です。

なお本メディアでも、他社サービスとの優劣を断定する書き方はしていません。ツール比較の記事で機能や料金を並べる場合も、事実の列挙にとどめ、順位付けをしないのはこのためです。

④ お客様の声・ビフォーアフターも広告

見落とされがちですが、第三者に言わせても、広告主自身の表現として扱われます。「お客様の声だから」は理由になりません。掲載するなら、次の3点をセットで用意してください。

用意するもの理由
掲載の同意(書面・フォームの回答)本人が特定され得る内容を公開するため
体験談であり効果を保証しない旨の併記読み手が「自分もそうなる」と受け取るのを防ぐ
加工していない写真照明・角度・加工での見え方の差が優良誤認につながる

クチコミを集める運用そのものは有効です。集め方と載せ方の手順はLINEでクチコミを増やす方法にまとめています。

⑤ キャンペーンの景品には上限がある

抽選で当たる形(懸賞)と、条件を満たした全員に配る形(総付景品)では、景品の上限額の考え方が異なります。企画を作る前に確認してください。設計の手順はLINE友だち限定キャンペーンの作り方にあります。

3. 薬機法:からだへの効果を言い切らない

薬機法が関わるのは、医薬品として承認されていないものに医薬品のような効果をうたう場合です。関係するのは医療機関だけではありません。

  • 化粧品・スキンケア
  • 健康食品・サプリメント・ドリンク
  • 美容機器・健康器具
  • エステ・整体・整骨院などの施術

ポイントは、「効く」と書かなくても、効いたと読ませれば同じという点です。写真、お客様の声、体験談、施術前後の比較——どれも表現の一部として見られます。

踏みやすい表現何が問題か意図を変えずに書き換える
「肩こりが治ります」治療効果の標ぼう「肩まわりをほぐす◯◯コースです」(施術内容を書く)
「飲むだけで痩せます」健康食品への効果効能の付与「食事管理と一緒に続けている方に選ばれています」
「シミが消える化粧品」化粧品で認められた範囲を超える「肌にうるおいを与えます」(範囲内の表現に置く)
「免疫力が上がる」身体の機能への作用をうたう書かない(言い換えでは残せない類)
「医師も推奨」効果の保証と受け取られる監修の事実のみを、効果に結び付けずに書く

化粧品については、広告で表現してよい範囲があらかじめ定められています。範囲は改定されることがあるため、自社の商材で使える表現は、最新の基準を所管窓口や専門家に確認したうえで「使ってよい言い回し集」を社内に持っておくのが確実です。毎回考えるより早く、スタッフが替わっても品質が落ちません。

医療機関の場合は、これに加えて医療広告ガイドラインの制約があります。クリニック・歯科の配信で気をつける点はクリニック・歯科のLINE予約に、エステの場合はエステサロンのLINE集客に、それぞれの文脈で触れています。

4. 特定商取引法:LINEで「売る」なら表示が要る

ここは、配信の文面というより導線の作り方の話です。トークの中で申込を受け、そのまま決済まで完結させる場合、それは通信販売にあたります。通信販売には表示すべき事項が定められています。

表示する内容LINEでの置き方
事業者名・所在地・連絡先トーク内には書ききれない。表示ページを作ってリンクする
販売価格・送料・その他の費用「送料別」で終わらせず、金額または算定方法まで書く
代金の支払時期・支払方法前払いか後払いか、いつ引き落ちるか
商品の引渡時期「順次発送」ではなく、目安の日数を書く
返品・キャンセルの扱い(返品特約)書かないと不利になる。後述

実務上の要点は1つで、これらを書いたページを1枚作り、売る配信には必ずそのリンクを入れることです。トークの吹き出しに全部書こうとすると読まれませんし、書き漏れます。ページ側に置いておけば、配信のたびに書き直す必要もありません。

返品特約を書かないと、返品を受けることになる

いちばん損をしやすいのがここです。返品の可否や条件を表示していない場合、一定期間の返品を受け入れることになります。「返品不可」としたいなら、その旨を表示しておかなければ主張できません。「書かない=返品を受けない」ではなく、逆になる点に注意してください。

定期購入・サブスクは初回価格の見せ方に注意

初回価格だけを大きく出し、2回目以降の金額・回数の縛り・解約方法を小さく書く見せ方は、有利誤認にもつながります。総額いくらになるのかやめ方を、同じ画面で分かるようにしてください。LINEは画面が狭いぶん、この「小さく書く」が起きやすい媒体です。

ECでLINEを使う場合の全体像はECがLINEでリピートを増やす方法にまとめています。

5. 個人情報:集める前に決める3つ

アンケートや申込フォームで氏名・電話番号・生年月日を集めるなら、集める前に次の3点を決めておきます。

決めること具体的に
利用目的を書く「予約の確認と、当店からのご案内のため」など、何に使うかをフォームに明示する
参照先を用意するプライバシーポリシーのページを作り、フォームからリンクする
集めない情報を決める目的に不要な項目は最初から作らない。集めれば管理義務が増える

トークに書かせてはいけない情報がある

これは法律というより運用の線引きですが、実務上いちばん効きます。トークの履歴は、その顧客を担当する全スタッフが見られる場所に、長く残り続けます。次のような情報を1:1トークで聞くのは避け、必要ならフォームや対面に回してください。

スタッフを増やすときは、誰がどのトークを見られるかを先に決めます。権限の分け方は複数スタッフでのLINE運用にまとめています。

「配信を止めてほしい」への対応

LINEでは、受け取る側がブロックという手段を自分で持っているため、メールとは前提が異なります。ただし運用としては、トークで「配信は不要」と言われた相手を、確実に配信対象から外せる状態にしておくべきです。

やり方は単純で、「配信停止希望」のタグを1つ作り、一斉配信のたびに除外するだけです。手作業で覚えておく運用にすると、担当者が替わった瞬間に破綻します。対象の作り方はセグメント配信のやり方を参照してください。なお、この希望を無視して送り続けることは、通報とブロックの両方を招きます(ブロック率の見方)。

6. 配信前の30秒チェックリスト

ここまでの内容を、送信ボタンを押す前に見る形にまとめます。全部で30秒程度です。

見るところ引っかかったら
販促が1行でも入っているか入っていれば、以下を全部見る
「必ず」「絶対」「治る」「最安」があるか消す。根拠を示せる場合のみ、出どころを添えて残す
比較・順位・◯%を書いているか調査の時期・範囲・方法を示せるか確認する
「本日限り」を先月も使ったか使っていれば、今回は限定表現を外すか、中身を変える
価格を書いたか税込か、送料や追加費用の有無まで書いたか確認する
申込・決済まで完結させるか表示ページへのリンクを入れる
お客様の声・写真を載せたか同意と、効果を保証しない旨の併記を確認する
個人情報を聞いているか利用目的とプライバシーポリシーのリンクがあるか確認する

チェックを「人の記憶」に置かない

このリストを配って終わりにすると、3ヶ月で形骸化します。仕組みに落とすなら次の3つです。

  • 定型文・テンプレートから危ない言い回しを消す。過去に作ったテンプレートに「必ず」「絶対」が残っていると、コピーされて増殖します
  • 送信できる人を絞る。スタッフが複数いるなら、作る人と送る人を分け、承認を1人通す
  • 送った内容を残す。指摘を受けたときに「いつ何を送ったか」を出せない状態がいちばん困ります

7. よくある失敗

失敗何が起きるか直し方
「本日限り」を毎週送っている限定表示に実態がなく、有利誤認になり得る限定を使う回数を月1回などに決める
売ったことのない価格を「通常価格」にした二重価格表示の根拠がない比較をやめ、絶対額だけを書く
お客様の声で効果を言わせている第三者に言わせても広告主の表現として扱われる同意と併記をセットにする。言い切りは載せない
ビフォーアフター写真を加工した実物との差が優良誤認につながる加工しない。撮影条件をそろえる
トークで申込を受けて決済まで完結させている通信販売の表示が足りていない表示ページを1枚作り、売る配信に必ずリンクする
返品について何も書いていない返品不可としたくても主張できない返品特約を表示ページに明記する
フォームに利用目的を書いていない何に使うか分からないまま個人情報を集めている目的を明示し、プライバシーポリシーへリンクする
「配信不要」と言われた人を手作業で覚えている担当者が替わった瞬間に送ってしまうタグを作り、一斉配信から機械的に除外する
古いテンプレートに危ない言い回しが残っているコピーされて同じ表現が増え続けるテンプレート側を直す。文面より先に型を直す

まとめ

覚えることを3つに絞るなら、次のとおりです。

  • 断定しない。「必ず」「絶対」「治る」「最安」は、根拠を示せないなら消す
  • 数字と比較には出どころを付ける。通常価格・No.1・満足度は、いつ・どの範囲を調べたかとセット
  • 売るなら表示ページを1枚作る。事業者名・価格・送料・引渡時期・返品の扱いを置き、配信からリンクする

そして、いちばん効くのはテンプレート側を直しておくことです。危ない言い回しは、その場の思いつきより、過去に作った定型文から繰り返し出てきます。今日やるなら、使っている定型文を一覧で開いて「必ず」「絶対」を検索する——ここから始めるのが最短です。

なお、この記事は法律側の線引きを扱いました。LINEヤフー社の規約や通報でアカウントが止まるリスクは別の話なので、停止・凍結されないためにとあわせて確認してください。表現を安全側に整えたうえで反応が出ないときは、文面ではなく届け方の問題であることが多く、配信の反応がないが入口になります。

LCALL(自社サービス・PR)では、タグでの除外・出し分け、送信権限を分けた受信箱、配信履歴の保存を同じ画面で扱えます。表現の最終的な適否は専門家にご確認いただく前提で、運用としての歯止めの作り方は無料相談から承ります。

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