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LINEで個人情報を扱うときのルール|同意と保管の線引き

2026年8月16日 公開

LINE運用の相談で、配信や予約の設計が一段落したあとに必ず出てくるのが「これ、聞いてしまって大丈夫なんでしょうか」という質問です。氏名や電話番号をトークで聞く、アンケートで生年月日を集める、スタッフ全員が顧客の履歴を見られる——どれも普通にやっていることですが、線引きを決めないまま運用を広げると、あとから直すのが非常に大変になります。友だちが3,000人になってから「この項目は集めなければよかった」と気づいても、集めた情報は消えてくれません。

この記事でわかることは次の5つです。

  • LINEで「自動的に分かる情報」と「自分で集めた情報」の違い
  • トークに書かせてはいけない情報と、その理由
  • 同意をどこで取るか(あいさつ・フォーム・店頭)と、利用目的の書き方
  • 誰がどこまで見られるようにするか。担当交代・退職のときにやること
  • 「消してほしい」「もう送らないで」と言われたときの手順
この記事は、店舗・中小企業がLINEを運用するときの実務上の整理です。個人情報保護法をはじめとする法令の最終的な適否は事業の内容によって変わるため、判断に迷う場面では弁護士等の専門家にご確認ください。LINE公式アカウントの仕様に関する記述は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。なおLCALLは本メディアの運営元が提供する自社サービスです(PR)。

LINEの友だち情報は、3つに分けて考える

「LINEの個人情報」とひとまとめにすると話が進みません。出どころで3つに分けると、どこに気をつければいいかがはっきりします。

種類中身実務での注意
LINEから自動で分かるもの表示名・アイコン・友だち追加日・アカウント内部のユーザーID表示名は本名とは限らない。「田中さん」と思っていた人が別人ということが起きる
自分から集めたもの氏名・電話番号・メール・住所・生年月日・来店履歴・アンケート回答集めた時点で管理対象。何に使うかを伝えている必要がある
集めたつもりがないのに残っているものトークの本文、送られてきた画像・PDFいちばん見落とされる。実務上の焦点はここ

3つめが要点です。管理が始まるのは、こちらがフォームで集めた瞬間だけではありません。お客様が自分からトークに書き込んだ瞬間にも始まります。「うちはフォームを使っていないから関係ない」というお店ほど、実はトークの中に生々しい情報が溜まっています。

最初に決めるのは「何を集めるか」より「何を集めないか」

順番を逆にしてください。集める項目を増やす検討より、トークに残ると困る情報を先に決めて、そこへ流れないようにするほうが何倍も早く効きます。理由は3つあります。

  • トークは相手の端末にも残る。店側で消しても、お客様の画面からは消えません
  • 受信箱を共有しているなら、スタッフ全員が見られる。共有しているから対応が回るのであって、これ自体は正しい設計です。だからこそ、何が流れ込むかを制御する必要があります
  • 辞めた人も、在職中は見ていた。アカウントを消しても、見た記憶と、手元にコピーしたファイルは消えません

業種ごとに、トークで受けずに別の場所へ回すべき情報の代表例です。

業種トークに書かせない情報どこで受けるか
クリニック・歯科症状の詳細・既往歴・保険証番号問診票、または院内の専用フォーム
不動産年収・勤務先・自己資金来店時、または申込フォーム
学習塾・スクール成績・志望校・家庭の事情面談
美容室・エステ既往症・アレルギー・服薬施術前のカルテ
EC・物販クレジットカード番号・セキュリティコード決済ページ(URLを送る)
共通マイナンバー・パスポート番号・口座番号LINEでは受けない

このなかでカード番号だけは例外がありません。「番号を写真で送ってください」も同じです。チャット履歴に残った時点で、消す手段が自分たちの側にしかなくなります。決済まで案内したいときは、金額を確定してから決済ページのURLを送る形にしてください。

運用としては、聞かれる前に断る仕組みを置くのが確実です。「保険証の番号をお伝えします」と書き始めた人を止めることはできませんが、自動応答の線引きで「トークではお答えできない内容」を先に案内しておけば、流れ込む量はかなり減ります。業種別の具体的な運用はクリニック・歯科のLINE予約不動産のLINE内見予約学習塾・スクールのLINE集客でも触れています。

同意は「いつ・どこで」取るかで決まる

同意は、同意という言葉を書けば取れるものではありません。お客様が何かを差し出す直前に、何に使うかが目に入っているかがすべてです。

場面取り方よくある抜け
友だち追加の直後あいさつメッセージで、何を・どのくらいの頻度で送るかを宣言し、プライバシーポリシーへリンクする「お得な情報をお届けします」だけ=何も約束していない
申込フォーム・予約送信ボタンの直前に利用目的とポリシーのリンクを置くページの一番上に小さく書いてある=読まれない
アンケート任意であること、答えなくても不利益がないことを書く使う予定のない項目まで必須にしている
店頭でスタッフが登録を手伝う口頭で目的を伝え、お客様本人の端末で操作してもらうスタッフが代わりに入力する。伝えた・伝えていないが残らない

証跡は、後から見て「いつ・何に対して」同意したかが分かる形で残します。フォームの送信日時が保存されるなら、それがそのまま証跡になります。口頭だけで済ませた分は、半年後に確認しようがありません。アンケートの作り方で触れた「聞く項目を減らす」は、回答率のためだけでなく、管理する情報を増やさないためでもあります。

利用目的は「何にでも使える書き方」にしない

いちばん多い書き方が「サービス向上のため」「マーケティング活動のため」です。広く書くほど安全に見えますが、お客様の側から読むと何をされるか分からない文です。ここは法令の話であると同時に、ブロック率の話でもあります。

書き方読んだ人がどう受け取るか
サービス向上のため何に使われるか分からない。念のため登録をやめる
ご予約の確認とご連絡のため予約に必要なのだと分かる。抵抗が消える
新メニュー・キャンペーンのご案内のため配信が来ることを承知して登録する。あとで「聞いていない」にならない
ご来店履歴に応じたご案内のため来店が記録されることが分かる。出し分けの前提が成立する

そして、あとから目的を増やすときは、増やした目的で使う前に伝えます。「登録したときは予約の連絡だけと書いてあったのに、半年後に別事業の広告が届く」——これが、運用のなかでもっとも嫌われる出来事です。誕生日クーポンのように生年月日を後から集めるなら、その時点で何に使うかを添えてください。

誰がどこまで見られるようにするか

「スタッフに任せたい」と「顧客情報を守りたい」は、権限を分ければ両立します。分けないまま任せると、どちらも中途半端になります。

役割見せる範囲理由
管理者(オーナー・店長)すべて+設定変更+顧客の書き出し責任の所在を1人に決める
社員スタッフ対応に必要な範囲(トーク・タグ・予約)見られないと対応そのものができない
アルバイト・業務委託対応中の相手のみ。一覧の書き出しは不可入れ替わる前提の人に一覧を持たせない
外部の制作会社期間を区切り、終わったら削除「作ってもらったまま残っている」がいちばん多い

担当交代・退職のときにやることは3つです。

  • その人のアカウントを削除する。パスワードを変えるのではなく、アカウントごと消します
  • 共有IDをやめて1人1アカウントにする。同じIDを使い回していると、誰が見たかが永久に分かりません
  • 引き継ぎの棚卸しをする。手順はLINE公式アカウントの引き継ぎにまとめています。複数人で回す設計そのものは属人化しない複数人運用が入口です

そして、実務でいちばん漏れる場所は画面ではなく書き出したCSVです。顧客一覧をダウンロードした瞬間、そのファイルは個人のPCとダウンロードフォルダとメール添付に散ります。書き出せる人を管理者に絞り、使い終わったら消す——このルールだけでも、守る範囲が大きく狭まります。

「消してほしい」「もう送らないで」と言われたら

前提として、ブロックは削除ではありません。ブロックされても、店側のデータは残っています。「ブロックしたのに、まだ登録されているんですか」と言われるのはこのためです。依頼が来たら、次の順で処理します。

  1. どちらの依頼か確認する。「配信を止めてほしい」と「データを消してほしい」は別の話です
  2. 配信停止なら、記憶ではなくタグで外す。担当者が覚えている運用は、交代した日に破れます。除外用のタグを作り、一斉配信から機械的に外します
  3. 削除なら3ヶ所を消す。友だちの登録情報、フォームの回答、そして書き出したCSV。3つめを忘れます
  4. 対応した日時を残す。「言ったのに止まらない」と再度言われたときに、何が起きたかを追えます

配信停止のタグ運用はLINE配信のNG表現でも触れていますが、あちらは表現の線引き、この記事はデータの扱いです。どちらも、その場の判断ではなく仕組みの側に歯止めを置くという点は同じです。

よくある失敗

失敗何が起きるか直し方
フォームに利用目的を書いていない何に使うか分からないまま集めている送信ボタンの直前に目的とポリシーのリンクを置く
プライバシーポリシーのページが無いリンクの貼りようがない1ページ作り、フォーム・あいさつ・サイトから同じURLへ送る
カード番号を写真で送ってもらった履歴に残り続け、消す手段が自分たちにしかない金額確定後に決済ページのURLを送る運用へ変える
「配信不要」を担当者が覚えている交代した瞬間に送ってしまう除外タグを作り、一斉配信から機械的に外す
スタッフ全員が同じIDでログイン誰が見たか・誰が送ったかが分からない1人1アカウントにして権限を分ける
退職者のアカウントが残っている退職後も顧客情報を見られる退職日に削除する。日付を決めておく
顧客CSVを書き出したまま個人PCに置いている端末ごと持ち出せてしまう書き出しを管理者に絞り、使い終わったら消す
使う予定のない項目まで聞いている回答率が下がり、守る情報だけ増えるその項目を使う配信を思いつかないなら消す
登録時と違う目的で配信している「そんな話は聞いていない」=ブロック目的を増やす前に伝える。増やした後に伝えない

まとめ

  • 管理が始まるのは、集めた瞬間だけでなくお客様がトークに書き込んだ瞬間から
  • 先に決めるのは集めない情報。カード番号は例外なくトークで受けない
  • 同意は差し出す直前に目に入っているかで決まる。フォームは送信ボタンの直前
  • 利用目的は具体的に。広く書くほど安全に見えて、実際はブロックの理由になる
  • 1人1アカウント、書き出しは管理者だけ、退職日に削除。いちばん漏れるのはCSV
  • ブロックは削除ではない。配信停止はタグ、削除は3ヶ所

サイト内での役割分担も整理しておきます。LINEの顧客管理のやり方は「誰が誰か分かるようにする」運用側、配信のNG表現は書いてよい表現の線引き、この記事は集めた情報そのものの扱いです。登録直後に何を約束するかという観点ではブロックされない配信の作り方と地続きで、約束と中身がずれた瞬間に、法令の問題になる前にブロックとして返ってきます。

LCALL(自社サービス・PR)では、この記事の歯止めを画面側で持てます。受信箱はスタッフごとにアカウントを分けられるので「誰が対応したか」が残り、タグで配信除外を機械的に扱えます。シナリオ配信のあいさつで利用目的を最初に伝え、申込はトークではなくフォームで受けられます。受信箱・タグ・シナリオ配信・フォームはLite(月額9,800円)から標準搭載です。当社自身の取り扱いはプライバシーポリシーに記載しています。運用ルールの作り方は無料相談から承ります。

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