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LINE公式アカウントの引き継ぎ|担当者交代でも失わない準備

2026年8月3日 公開

「LINEの担当だった社員が辞めて、誰もアカウントに入れない」——これは特殊な事故ではなく、一定の頻度で起きる、そして起きると友だちごと失いかねない事故です。制作会社に作ってもらったまま連絡が取れない、というケースも同じ構図です。

この記事で分かることは次のとおりです。

  • LINE公式アカウントの「何が」「どこに」紐づいているのか(ここを取り違えるから詰まる)
  • 2段階認証の必須化で新しく急所になった「認証コードの届き先」
  • 担当者が交代するときの引き継ぎ手順と、やってはいけない順番
  • 退職が決まってから最終出社日までにやることの時系列
  • 制作会社・代理店からアカウントを引き取るときの手順
  • すでに入れなくなっている場合に、まだできること
  • 交代が起きる前に、いま10分でやっておける予防策
LINE公式アカウントの料金・仕様に関する記述は、2026年8月時点の公開情報にもとづく一般的な整理です。画面の名称や指標の定義、絞り込み配信の条件などは変更されることがあるため、最新の内容は必ずLINEヤフー社の公式サイトでご確認ください。なおLCALLは本メディアの運営元が提供する自社サービスです(PR)。

まず、「5つの所在」を分けて考える

引き継ぎでつまずく人のほとんどは、これらを一つのものとして考えています。実際には別々に管理されていて、どれか1つでも所在不明だと引き継ぎが止まります。

何がどこに紐づくか失うとどうなるか
友だち(登録者)LINE公式アカウントそのものアカウントが残る限り消えない。ここは比較的安全
管理画面へのログイン個人のLINEアカウント or ビジネス用のID入れなくなる。いちばん多い事故
認証コードの届き先ビジネスIDに登録したメールアドレス権限を移してもログインの最後で止まる
支払い情報登録したクレジットカードの名義決済が止まり、有料プランが落ちて配信できなくなる
拡張ツールに貯めたデータツール側の契約アカウントタグ・シナリオ・対応履歴が取り出せなくなる

覚えておきたいのは「友だちはツールではなく、LINE公式アカウントに紐づく」という点です。拡張ツールを解約しても友だちは消えません。逆に、タグや配信シナリオはツール側に貯まっているため、そちらは移せません。この違いはLINE拡張ツールの乗り換えを考えたらで詳しく整理しています。

2段階認証の必須化で、急所が1つ増えた

上の表の3行目は、以前は気にしなくてよかった項目です。ビジネスIDの2段階認証が順次必須化され、ログインのたびに認証コードの入力が求められるようになりました(2026年6月30日以降、未設定のアカウントにも順次適用されると案内されています。最新の状況は公式の告知でご確認ください)。

引き継ぎにとって何が変わったかというと、権限を正しく移しても、認証コードを受け取れなければログインできないという点です。従来の引き継ぎ手順は「権限」と「支払い」を移せば終わりでしたが、いまはもう1つ増えました。

登録メールの状態退職後に起きること先にやること
退職する担当者の個人アドレスコードが本人にしか届かず、誰もログインできない在職中に共有アドレスへ変更する
制作会社のアドレス契約終了と同時に受け取れなくなる引き取り作業の最初に変更する
会社の共有アドレス問題なし複数人が見られる状態を維持する
もう使っていない古いアドレス誰も気づかないまま、次のログインで詰まるいま確認して変更する

厄介なのは、ふだんは入りっぱなしなので誰も気づかないことです。問題が表面化するのは、担当者が辞めたあと、はじめて誰かがログインしようとした瞬間です。ログインできなくなったときの切り分けはLINE公式アカウントにログインできないにまとめました。

事故が起きる典型パターン3つ

① 担当者の個人アカウントだけで作られている

いちばん多い形です。開設したときに、担当者が自分のLINEアカウントでログインして作り、そのまま運用してしまう。その人が退職した瞬間、会社は自社のアカウントに入れなくなります。

厄介なのは、退職の意思表示から最終出社までの期間が短いことです。引き継ぎ書には「LINE配信のやり方」は書かれても、「ログイン権限を移す」は忘れられがちです。

② 制作会社・代理店の名義で作られている

開設から運用まで丸ごと外注していると、アカウントが先方の管理下にあることがあります。関係が良好なうちは問題になりませんが、契約終了のタイミングで初めて「アカウントはどちらのものか」が争点になります。

これは契約前に確認しておくべき項目です。発注時点で「アカウントの管理者は当社(発注側)とし、制作会社は運用担当者として参加する」と決めておけば、そもそも起きません。

③ 管理者が1人しかいない

①②の根っこにあるのがこれです。権限を持つ人が1人だけの状態は、その人が辞める・連絡が取れなくなる・端末を失くす、のいずれかで即座に詰みます。逆に言えば、管理者を2人にしておくだけで、この記事の事故のほとんどは起きません。

すでに入れなくなっている場合

予防の話をする前に、いま現在入れない方向けに現実的な順番を書いておきます。

  1. 他に入れる人がいないかを社内全員に聞く。過去に招待を受けたまま忘れている人が、意外な頻度で見つかります
  2. 退職者のメールアドレスを一時的に復活できないか、社内のメール管理担当に相談する。これができれば認証コードを受け取れます
  3. 制作を外注していたなら、その会社に権限が残っていないか確認する
  4. どれも駄目なら公式の問い合わせ窓口に状況を伝える。ただし本人確認の要件は厳しく、必ず復旧できるとは限りません

4番まで行くと、作り直しになる可能性があります。その場合友だちは引き継げず、集めた人数はゼロからです。原因別の切り分けはログインできないときの原因5つと直し方を先にご覧ください。

権限は「全員に配る」ものではない

LINE公式アカウントの管理画面は、複数人で使えるように権限が段階的に分かれています。名称や区分は変更されることがあるため最新の表記は管理画面で確認していただくとして、考え方としては次の3層で捉えると設計しやすくなります。

できること(考え方)誰に渡すか人数の目安
管理者権限の追加・削除、プラン変更、支払いを含めた全操作経営者・店長など、会社側で責任を持てる人2人以上
運用担当配信の作成・送信、メニューの編集、分析の閲覧実際に手を動かす担当者・外部の運用パートナー必要な人数
閲覧のみ数字を見るだけ。設定は変えられない報告を受ける立場の人、上長必要な人数

やりがちなのが、面倒だからと全員を管理者にすることです。管理者は他人の権限を消せるため、人数が増えるほど「誰かが誰かを消した」事故と、退職時の削除漏れが起きやすくなります。管理者は少なく、運用担当は必要なだけ、が原則です。

なお、日々の対応をスタッフに任せる運用そのものの設計(担当の割り振り・定型文・履歴の共有)はLINE対応をスタッフに任せる方法にまとめています。この記事は「権限とアカウントの所有」に絞ります。

引き継ぎの手順(順番を間違えない)

1. 5つの所在を書き出す

作業の前に、先ほどの表を自社の状況で埋めてください。ログインに使っているのは誰のアカウントか、カードの名義は誰か、契約中の拡張ツールは何か。ここが埋まらないまま作業を始めると、途中で必ず止まります。

2. 退任者の権限が生きているうちに管理者を追加する

これが最重要です。権限を追加できるのは管理者だけなので、退任者が権限を持っている間にしか作業できません。最終出社日ではなく、退職が決まった時点で着手してください。

3. 後任に必要な権限だけ渡す

配信を作る人には運用担当、数字を見るだけの上長には閲覧のみ。ここで整理しておくと、次の交代のときに削除する対象が明確になります。

4. 認証コードの届き先を共有アドレスに変える

権限を移しただけでは終わりません。認証コードが退任者の個人アドレスに届く状態のままだと、後任は最後の一歩でログインできません。この変更も、退任者が入れるうちにしかできない作業です。宛先は個人名のアドレスではなく、複数人が見られる会社の共有アドレスにしてください。

5. 支払い情報を法人名義に付け替える

個人のクレジットカードで有料プランを払っている場合、退職と同時に決済が止まります。止まると配信できなくなるため、権限の移管とセットで必ず確認してください。プランそのものの見直しはLINE公式アカウントの料金プランの選び方が参考になります。

6. 後任が実際に入れることを確認してから、退任者を削除する

順番を逆にすると誰も入れなくなります。後任者に自分の端末でログインしてもらい、認証コードの受け取りまで含めて配信画面まで開けることを確認してから削除してください。「権限は付けたので大丈夫なはず」で削除するのが、いちばん多い事故です。

7. アカウント台帳を1枚だけ残す

次の交代でまた同じ調査をしないために、次の項目を1ページにまとめておきます。

  • ログイン方法(どのIDでログインするか。パスワード自体は台帳に書かず、社内の管理ルールに従って保管する)
  • 現在の管理者一覧と、それぞれの連絡先
  • 支払いの名義と支払い方法
  • 契約中の拡張ツール名・契約者名・更新日
  • 認証コードが届くメールアドレス(誰が見られるか)
  • 認証済アカウントかどうか(認証済アカウントとは?

退職が決まってから最終出社日まで

手順は分かっていても、実際には「気づいたら最終出社日の前日」になりがちです。退任者にしかできない作業があるので、日数で区切って先に予定を入れてしまうのが確実です。

時期やること退任者が必要か
退職が決まった日5つの所在を書き出す/管理者を追加する必要
その週のうち認証コードの届き先を共有アドレスに変更必要
2週間前まで支払い方法を法人名義に変更必要なことが多い
1週間前まで後任が自分の端末でログインできるか実機確認不要
1週間前まで拡張ツールの契約者名・更新日を確認して台帳へ状況による
最終出社日退任者の権限を削除する不要
退職後1ヶ月配信・ブロック率の数字を後任が見ているか確認不要

上2行が退任者にしかできない作業です。ここを最終出社日に回すと、当日の慌ただしさでほぼ確実に漏れます。逆に、この2つさえ済んでいれば、残りはあとから落ち着いてやれます。

制作会社・代理店から引き取るとき

社内の交代より難しいのがこちらです。技術的な作業ではなく、相手に動いてもらう必要があるためです。順番は次のとおりです。

  1. いま誰の名義になっているかを、書面かメールで確認する。口頭の「御社のものです」は、担当者が代わると根拠になりません
  2. 自社の管理者を追加してもらう。アカウントごと譲渡するより、権限を追加するほうが早く、途中で止まりません
  3. 認証コードの届き先を自社の共有アドレスに変える。ここを忘れると、権限だけ持っていて入れない状態になります
  4. 支払い方法を自社名義に変える
  5. 拡張ツールを使っている場合、契約者と、解約したときに何が消えるかを確認する。タグ・シナリオ・対応履歴はツール側に残るため、そのままでは移せません
  6. すべて確認できてから、先方の権限を外す

関係が良好なうちに進めるのが鉄則です。契約終了の話と同時に切り出すと、交渉になってしまいます。ツールを乗り換える場合に何が移せて何が移せないかはLINE拡張ツールの乗り換えに、そもそも外注の範囲をどこで切るかは構築・制作費用の相場で整理しています。

交代が起きる前に、いまやっておくこと

引き継ぎで慌てないための予防は、実は3つだけです。所要10分程度で終わります。

やること防げる事故かかる時間
管理者を2人以上にする担当者の退職・連絡不通で入れなくなる5分
認証コードの届き先を共有アドレスにする権限はあるのにログインの最後で止まる5分
支払いを法人名義にする退職と同時に決済が止まり配信できなくなる5分
台帳を1枚作る次の交代でまた調査からやり直す10分

外注する場合は、これに「アカウントの管理者は発注側」と契約時に決めておくを足してください。作ってもらった後から所有者を変えるのは、技術的な作業ではなく交渉になります。

やりがちな失敗

失敗何が起きるか直し方
退職日の直前に着手する権限の追加は退任者にしかできず、間に合わない退職が決まった時点で管理者を追加する
退任者を先に削除する権限を追加できる人がいなくなる後任のログイン確認を先に済ませる
全員を管理者にする削除漏れが増え、退職者が入れる状態が残る管理者は2〜3人。他は運用担当・閲覧のみ
個人カードのまま運用する決済が止まり有料プランが落ちる法人名義の支払い方法に変更する
拡張ツールの契約者を確認しないタグ・シナリオ・対応履歴が取り出せない契約者名と更新日を台帳に書く
パスワードを台帳に平文で書く台帳が共有された時点で全員が管理者になれる権限は管理画面で付与し、台帳には所在だけ書く
引き継ぎ後に数字を見なくなるブロック増や反応低下に気づくのが数ヶ月遅れる後任に見る指標を決めて渡す(見るべき数字
権限だけ移して認証メールを放置する後任が権限を持っているのにログインできない届き先を共有アドレスに変えてから削除する
予約済みの配信を確認しない退職後に、内容の古い配信が自動で送られる予約一覧を引き継ぎ時に一度すべて見る(予約配信のやり方

よくある質問

アカウントごと別の人に譲渡できますか

実務では、譲渡そのものより「自社の人を管理者として追加し、あとから前任者を外す」ほうが確実で早いです。譲渡の手続きを待つあいだも運用は続くため、権限の追加で先に入れる状態を作るのが安全です。

退職者のアカウントを削除したら、友だちも消えますか

消えません。友だちはLINE公式アカウントそのものに紐づいています。消えるのはその人の操作権限だけです。逆に、アカウント自体を削除すると友だちは戻らないので、この2つを混同しないでください(解約・削除の前に見直す5点)。

引き継ぎのタイミングで配信は止めるべきですか

止める必要はありませんが、予約済みの配信は必ず一覧で確認してください。予約配信は担当者が辞めても指定時刻に送られます。前任者が入れた古い内容が、誰も気づかないまま届くのがよくある事故です。

管理者は何人がちょうどいいですか

2〜3人が目安です。1人だと詰み、多すぎると退職時の削除漏れが増えます。手を動かす人は管理者ではなく運用担当の権限で足ります。日々の割り振りは複数人運用のつくり方を参照してください。

台帳にパスワードを書いてはいけないのはなぜですか

台帳が共有された時点で、見た人全員が管理者と同じことをできてしまうためです。権限は管理画面で1人ずつ付与し、台帳には「どこから入るか」だけを書きます。お客様の情報を含む取り扱いはLINEで個人情報を扱うときのルールにまとめました。

まとめ

  • 友だち・ログイン・認証コードの届き先・支払い・ツール契約は別々に紐づく。まとめて考えると引き継ぎが止まる
  • 事故の原因はほぼ1つ、管理者が1人しかいないこと。2人にするだけで大半は防げる
  • 2段階認証の必須化で、権限を移しただけでは足りなくなった。届き先を共有アドレスにする
  • 権限の追加も認証メールの変更も管理者にしかできない。退任者が権限を持っているうちに着手する
  • 退任者にしかできない作業は退職が決まった週のうちに。最終出社日に回すと漏れる
  • 削除は最後。後任が実機で認証コードの受け取りまで含めてログインできることを確認してから消す
  • 制作会社からは、譲渡を待つより管理者を追加してもらうほうが早い。関係が良好なうちに進める
  • 支払いが個人カードのままだと、退職と同時に配信が止まる
  • 外注時は「管理者は発注側」を契約時に決めておく。後からでは交渉になる
  • 台帳を1枚残す。ただしパスワードは書かず、権限は管理画面で付与する

LCALL(自社サービス・PR)は、スタッフごとに操作できる範囲を分けたうえで、対応履歴・タグ・配信設定を1つの管理画面に集約します。担当者が代わっても受信箱にやり取りが残り、友だち・顧客管理のタグもそのまま引き継げるため、「前任者しか経緯を知らない」状態を作りません。いま入れなくなっている場合はログインできないときの原因5つと直し方、運用停止のリスク全般はLINE公式アカウントが停止・凍結されないために、体制づくりのご相談は無料相談で承ります。

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